徳島県で初めて開催されたウィキペディアタウンを終えて

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11月7日、徳島県で初めて開催された「ウィキペディアタウン」。阿南市立図書館のバックアップのもと、那賀川図書館の視聴覚室で開催。今回参加したのは総勢10名。阿南市議会選の告示日だったこともあり、選挙カーが走り回っている中、黙々と写真アップと執筆にあたりました。

余談だが、今回の市議選は26名の定数で、29名が立候補されているようで、地方自治体議員選挙で3名が落選するというのはかなりの規模ではないだろうか。などと分析していた。

事業の開始にあたり

今回の実施にあたり、阿南商工会議所から「地域の情報発信を盛んにするためにウィキペディアを使ったらどうかと調べたら、ウィキペディアタウンのことを知った。ウィキペディアタウンを何とか年度内に是非スタートしたい」という趣旨のお願いを頂いたところから始まった。

そこから、何回かのオンラインでの打ち合わせを重ねることになる。今回に限らず、タスクの流れを明示してみると、ウィキペディアタウンの準備は大まかに分類してこんな感じになるが、これを一つ一つ口頭で確認していく。実際、取り組んだ順番もおおよそ以下に提示した通りであるが、ほぼ同時進行で進めていた。

  1. 日程:講師・主催チームのスケジュール出しで決定
  2. 会場:会場候補が決まっていたので日程が確定次第、すぐに最終決定
  3. 題材:担当者がかなりの歴史好きかつ、地元情報にかなり詳しい方だったので候補がいくつも
  4. 資料探し:題材が決定後、そのまま図書館で郷土資料を捜索開始
  5. まち歩き:訪問先へは事前アポ。ガイドは担当者と現地訪問先担当者で
  6. 移動手段:商工会議所メンバーで乗り合わせ
  7. 昼食:プレ開催は、午後一番の開催で昼食後に集合として手配なし
  8. 物品:テーブル・椅子は現地のものを使用。通信は各自で準備(今考えるとやっぱり借りておきたい)
  9. リーフレット作成:プレ開催後に作成。市役所にいっぱい置いてあったのはドキッとした(11月8日)
  10. スケジュール:年間数回はやりたい。可能な限り定期的な開催を目指す
  11. 定員:20名。プレイベントと初回で出来るだけ慣れてもらうことを目指す
  12. スタッフ:商工会議所メンバー(一緒に編集にも参加)

プレ開催

プレ開催は行政関係者の参加がメインということを念頭に、阿南市役所、津乃峰山、船瀬温泉、平等寺 (阿南市)の4記事に取り組むこと、7月31日にプレイベントを開催することを決定した。同時に、年度内開催の日程をすべて決定し、9月・11月・1月の日時も決定した。離れすぎず、近すぎない日程で個人的には心地よい気持ちで開催できており、時期が近づいてくると、遠足前の小学生かのように楽しみになってしまうのは性分だろう。

7月31日は、会場となった那賀川図書館、阿南市や海陽町など周辺自治体の首長や自治体関係者、商工会議所のみなさまで20名を超える人数で開催。「はじめまして」という中で、この20名にどうやってレクチャーを進めるべきか、かなり手間取ってしまったことも事実である。普段、私が開催するワークでは、”ある映画監督を題材にしたダミー記事を用意して、そこから文章を抜き出してみる。そして、その内容で百科事典の記述として使うべきものを議論する”という内容で展開しているが、自分では実感がないものの、好評らしい。
ワークを終えた後に実際の編集に入るが、今回の企画は単発ではなく、長いスパンで取り組みたいということだったので、新規記事作成ではなく加筆修正を中心に展開した。

公開イベントとしては、9月の開催を初回としていたところだったが、ちょうど新型コロナウイルス感染症の感染判明者数が多い状態であったこともあり、開催自体を取りやめることとなってしまった。前日には「考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロンonline」がオンラインで開催される予定となっていたことから、開催前に四国入りしていていたこともあり、讃岐うどんのランチ時間に中止を知ってしまうということになった。

徳島県下初の開催

本当の意味での初公開イベントになった11月7日のウィキペディアタウン。2回の事前打ち合わせで執筆テーマをおおよそ固めて当日を迎えた。今回のテーマは「平島公方」。阿波国に公方としてきた足利氏がわずか数百年の間に過ごしてきたいきさつがまとめられているが、出典を含む脚注がほぼ皆無であるということも選定理由の一つになった。そんなこともあり、当日のワークでは、出典の付け方講習にかなりの時間を割いた(と思う)。

今回(初回公開イベント)開催にあたって、商工会議所の担当者は「ウィキペディアタウンの勉強会も開催して、第1回として11月7日に開催できたことは嬉しい。阿南の観光資源となるような題材をウィキペディアに掲載することで、観光客の創生を図りたい。同時に、みんなで勉強がてらやり方を覚えていくことも見据えている。前回のプレ開催の際に、"ウィキペディアは百科事典なので、出典が重視されていること"はかなり配慮した。文献収集の方法も学びながら、楽しんでいきたい。」とのことだった。

街歩きでは、民俗資料館と西光寺を訪れ、現地での視察をじっくり楽しみ、ウィキペディアタウン恒例の時間オーバー(今回は30分)。13時30分からレクチャーを開始し、何とか14時15分には、画像のアップロード作業まで進むことが出来た。

  • 西光寺チーム
    • 出典追加、写真追加
    • おまじない(Wiki記法)を用いた編集の仕方に慣れなかった
    • 脚注(出典)の追加、1件から4件まで増やせた
    • 高橋赤水さんのお墓もあったので追記できた
  • 平島公方チーム
    • 出典追加
    • いつ阿波を出発したのかを明記した
    • 平島公方8代目は文学的活動をされていたので、漢文学のサロンのことを掲載
    • マムシよけ札に関する情報を追記

commons.m.wikimedia.org

反省

自分としての反省は、画像のアップロード作業がかなり難で、時間を取られてしまったこと。コモンズ独特の操作性といい、初見では大変難しいところだった。例えば希望制にするというのも考えたいが、そこは次回への継続課題。また、事前アナウンスを行っていたものの当日までにアカウントが作れていない方がいたことも後々作業を出来なくなる要因となってしまった。いつもならアカウント作成者のような権限で作業をするのだが、なぜかそこに思考を巡らせることが出来なかった。同時に回線はiPadのキャリア回線を使用していたために、投稿ブロックでアカウント作成が出来ない、という事象も発生した。いつもなら出来ていたことが全く出来ていないのは反省しかできないし、むしろ申し訳ない。

anancci.or.jp

ともあれ、次回は1月23日(日)の開催が決まっている。基本的に地元優先ということになるが、徳島に御近い方は是非ご参加いただきたい。